「og 電話」「ビジネスフォン og」で検索してこのページにたどり着いた方は、おそらく NTT のひかり電話で使うOGという装置について調べているはずです。この記事では、OG とは何か、何ができるのか、そしてクラウドPBXとは何が違うのかを、当社が実際に自社オフィスへ導入したときの記録をもとに整理します。
NTTの「OG」とは何か
OG は、ひかり電話のオフィスタイプ(光オフィスA など)で使うゲートウェイ装置の型番に付く記号です。当社が2026年8月に自社オフィスへ導入したのは OG410Xi という機種でした。
ひかり電話を家庭向けのプランからオフィスタイプへ切り替えると、NTT から貸し出される装置がホームゲートウェイ(当社の場合は XG-100NE)から OG410Xi に変わります。見た目は似ていますが、中身は別物です。
OGでできること
OG410Xi の大きな特徴は、IP電話機を内線として直接収容できることです。主装置(ビジネスフォンの箱)を置かなくても、OG だけで内線の仕組みが作れます。
設定画面の「電話設定 → IP端末/GW収容設定」にある内線IP端末テーブルで指定するのは、内線番号(10〜99)・名称・発信者電話番号の3つだけです。IPアドレスとMACアドレスの欄は、登録された結果が表示されるだけで入力欄ではありません。
つまりパスワードという概念がありません。SIP端末側は「ユーザID=内線番号、パスワード=空」で登録できます。NTT西日本の機能詳細ガイドにも認証設定の記載はなく、当社の実機でもそのとおりでした。
既存のLANに入れるときに起きたこと
ここからが、実際に入れてみて分かったことです。OG は単体で使う前提の初期設定になっており、すでにルータがあるオフィスのLANにそのまま入れると問題が起きます。当社は半日かけて切り分けました。
DHCPとIPv6ルータが二重になる
OG410Xi は、出荷時に以下がすべて有効になっています(ルータ設定 → LANインタフェース設定)。
- DHCPv4サーバ(払い出し開始アドレスは .10)
- RA払い出し(IPv6のルータとして広告する)
- PD払い出し(プレフィックス委譲)
既存のルータがあるLANに入れると、DHCPサーバが2台、IPv6のデフォルトルータが2台という状態になります。当社では「つながる端末とつながらない端末がある」という、切り分けの難しい症状が出ました。
原因は、OG から IPアドレスを配られた端末のデフォルトゲートウェイがひかり電話網側を向いてしまい、インターネットに出られなくなることでした。上の3つを無効にすることで解決しています。
LANポートに挿すとネットワーク全体が止まる
もう1つ、配線でつまずきました。OG の LAN 側を既存ルータの LAN ポートに挿したところ、すべての端末がIPアドレスを取得できなくなり、ケーブルを抜いた瞬間に一斉に復旧するという現象が起きました。
不正なDHCPサーバであれば「IPは取れるが外に出られない」になるはずで、取得自体が失敗するのは説明がつきません。原因は配線によってルータのWAN側とLAN側が短絡していたことでした。
OG を既存のネットワークに入れるときは、どのポートとどのポートをつなぐのかを設計してから作業してください。ここを間違えると、電話だけでなくオフィス全体のネットワークが止まります。
OGとクラウドPBXは何が違うのか
OG もクラウドPBXも「内線をつくる仕組み」という点では同じです。違いはその仕組みがどこにあるかです。
- OG:装置がオフィスの中にある。内線の設定も装置の中。停電や故障の影響を受ける。社外から内線を使うには別の工夫が要る
- クラウドPBX:内線の仕組みがインターネットの向こう側にある。オフィスに装置を置かない構成にもできる。スマートフォンをそのまま内線にしやすい
「オフィスの中だけで内線が完結していればよい」のであれば、OG で十分なことは多いです。一方で外出先や自宅でも会社の番号を使いたい、拠点が複数ある、装置の保守から離れたい——このいずれかに当てはまるなら、クラウドPBXを検討する価値があります。
「番号を変えたくない」場合はどうなるか
いちばん多いご相談がこれです。クラウドPBXに移っても、ひかり電話の回線と番号をそのまま収容する構成にすれば、番号は変わりません。この場合、OG のような外線ゲートウェイ装置が必要になるかどうかで初期費用が変わります。
番号を残したままクラウドPBXへ移せるかどうかは、いまお使いの装置と回線の種類で決まります。まずは現在の構成を確認するところから始めてください。
いまお使いのひかり電話の番号を、そのまま使えます
OGクラウドPBXは、ひかり電話の回線と番号をそのまま収容する構成に対応しています。装置をオフィスに置いたままにするか、クラウドへ寄せるかを含めてご相談ください。
まとめ
NTT の OG は、ひかり電話のオフィスタイプで使うゲートウェイ装置です。IP電話機を内線収容でき、パスワードの設定という概念がないという、独特の作りをしています。
ただし単体で使う前提の初期設定になっているため、既存のルータがあるオフィスに入れるときは、DHCPとIPv6の払い出しを止め、配線を設計してから作業する必要があります。当社も実際にここで半日を使いました。
OG を使い続けるか、クラウドPBXへ移すかは、「内線をオフィスの中だけで使うのか、外でも使うのか」で考えると判断しやすくなります。番号を変えたくない場合でも、回線をそのまま収容する構成であれば番号は維持できます。